instax SQUARE SQ10 のススメ

Camera & Photo

画面サイズが62×62mmのましかく=スクエアフォーマットのチェキ、最初のカメラがこのinstax SQUARE SQ10 です。当時スクエアのチェキに注目が集まる中で、このカメラが出た時には賛否両論だったかと思います。それまでのチェキとは違って良くも悪くも機能満載まるでデジカメで、しかも結構なお値段。極め付けはカラーとデザイン。チェキのメインユーザーである女子の中でこのカメラがカワイイ、欲しい、となった人はどの程度いたことでしょうか?

しかしです。満載された機能には色々なメリットもあります。
まずスクエアのチェキフィルムの価格が従来の1.5倍程度、1枚80円程度だったのが1枚120円にもなります。(メーカー直販価格より)したがって撮影はより慎重になり失敗はしたくない。そうなるとこのハイブリッドチェキは理に適っているわけで一度撮影してモニターで確認しOKならプリントする。多少の失敗ならカメラで補正も出来る。しかも2人以上で写っても欲しい枚数だけプリント出来る。データが残るので後で追加も出来る。とりあえずプリントしないでデータだけ残すことも出来る。つまりはフィルムの節約が出来る・・・であるならばスマホで撮ってSP-3とかのSQチェキプリンターを使えばいいじゃないかということにもなりますが、それでは “チェキで撮った” という感覚からは程遠くなってしまいます。チェキのカメラで撮った上で失敗しない、データも残せるのは大きなメリットでしょっ!と思う訳です。ただしデザインや色はこれまで大きな変更もなく後継機のSQ20もセルフミラーがついたこと、カラーがホワイトではなくページュが追加になったこと程度で大きな変化もありませんでした。
一方でこれを大人のチェキと位置付けると、このデザインや色合いは良く言えば落ち着いた雰囲気で、得られる写真は普通よりも大きな画面で見やすい=多少の優越感、撮って直ぐにプレゼント出来れば撮られる側も安心でしかも楽しい。仲間で撮っても人数分プリントも出来る。子供や孫を撮るだけではなく、飲み会でも、パーティーでも、同窓会でも、様々な場面でのコミュニケーションツールとしての可能性は無限大じゃありませんか、ちょっとお金はかかるけど。(まるでメーカーの宣伝マンみたいですが)

SQ20の価格をネットで調べてみるとメーカー直販価格よりも結構安い価格で販売されていて、しかもSQ10はさらに安く発売当初より1万円くらいは下がってます。そこで今回もう一度SQ10とSQ20は何が違うのか比べてみることにしました。すると意外な差もあることがわかり場合によってはSQ10はすごくコストパフォーマンスが良いのかもしれないと思い今一度紹介しておくことにしました。

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富士フイルムのINSTAX"チェキ"(出荷終了品)についてご紹介します。
instax SQUARE SQ20 : 富士フイルム [日本]
富士フイルムのinstax SQUARE SQ20の概要についてご紹介します。

下の表がSQ10とSQ20の機能の相違点のみを抜き出したものです。同一の機能・性能は割愛していますので、記載以外はメーカーのホームページ(上部の囲みリンク)や取り扱い説明書などをご参照ください。
撮像素子 SQ20の方が若干小さくなっていました。多分動画撮影との絡みではないかと推測する訳で、もともとこれらの撮像素子は動画を撮るカメラの素子ではないかと思われます。だからと言って画質の優劣が異なるのかと問われれば実際に見なければわかりません。ということでSQ20では動画が撮影出来て動画から静止画を切り出してチェキでプリントができるんですね。まあこれらの機能に注目する場合はSQ20の一択なので、関連の機能差は飛ばします。
焦点距離 が違いました。これは全く知りませんでした。28.5と33.4、28と35のような単焦点レンズとして分かりやすい差にはなっていませんが、ほぼそのイメージでしょう。私はどちらかといえばSQ10の28.5mmの方が使い易いです。
シヤッタースピード 比較でどうこう言う前にSQ10の上限の数値が異常です。取説も確認しましたが、間違いなく1/29500秒です。電子シャッターでしょうからこの数字もあると思いますが普通ならSQ20の数値でも充分すぎるところでしょう。今度SQ10をものすごく明るい場所に持ち出して撮影してみようと思います。
フラッシュ のところでSQ20では、スローシンクロと赤目補正が省かれ、撮影距離も8mが2mに変更されています。フラッシュ周り、チェキに必要か否かは別としてスペックダウンと言わざるをえません。
以降の各種撮影機能については順当に機能アップしていてSQ20が優位な部分なので飛ばします。

– 機能 –– SQ10 –– SQ20 –
撮像素子1/4型CMOS 原色フィルター採用1/5型CMOS 原色フィルター採用
記録枚数内臓メモリー約50枚内臓メモリー約50枚、動画約30秒
記録方式DCF準拠 Exif Ver.2.3 JPEG準拠、PIM対応静止画 : DCF準拠 Exif Ver.2.3 JPEG準拠、PIM対応
動画 : 800x800x15fps H264(音声なし)
動画記録————1GBあたり合計約3分
焦点距離※128.5mm(35mmフィルム換算)33.4mm(35mmフィルム換算)
シャッター
スピード
1/29500秒〜1/2秒1/7500秒〜1/2秒
露出補正————-2.0EV〜+2.0EV
フラッシュオート、強制発光、発光禁止、
スローシンクロ、赤目補正
撮影可能範囲 約50cm〜8m
オート、強制発光、発光禁止
撮影可能範囲 約50cm〜2m
撮影モード通常、二重露光、バルブモード通常、バルブモード、二重露光、
分割撮影、コラージュ撮影、時間差撮影
プリント
モード
オートプリントモード
本体スイッチ
オートプリントモード
メニュー選択
画像
エフェクト
フィルター 16種フィルター静止画 18種、動画記録時 3種
デジタル
ズーム
プリント時 2.4倍撮影時/プリント時 4倍
セルフィー————セルフショットミラーあり
パソコン
転送
————USBケーブルパソコン転送可能
液晶モニター3.0型TFTカラー液晶
画素数 約46万ドット
2.7型TFTカラー液晶
画素数 約23万ドット
バッテリーNP-50リチウムイオン電池内臓
プリント
可能枚数
約160枚(フル充電から)約100枚(フル充電から)
充電・時間約3〜4時間(USBポート使用)
NP-50用充電器使用可能
約2〜3時間(USBポート使用)
RESET————リセットボタンあり

液晶モニタ 3.0型約46万ドットだったのが、SQ20では2.7型とやや小ぶりになったうえに画素数が半減して約23万ドット、チェキには不要との判断かと思いますが、これは大幅なスペックダウンです。これまで見比べたことはありませんが、機会があれば実際に比べて見たいです。
バッテリー 富士フイルムのコンデジやチェキの上位機種などで使われているNP-50から取り外し出来ない内臓タイプに変更されています。プリント可能枚数も減っていますので容量も減っていると思います。その分充電時間は短縮されたようですが、これも私はスベックダウンと見ます。
ということで、SQ20は撮影に関する機能はそれなりにレベルアップしているようですが、それ以上に基本的な性能レベルを落としているような印象を受けました。チェキにはオーバースペックだったということかもしれませんが、納得出来るようなそうではないような・・・

今回の比較によれば、28mm近くの単焦点と綺麗なモニタ、取り替えられるより容量の大きいバッテリー、この3点と5000円以上の価格差、私ならSQ10をお勧めします。是非この機会に大人のチェキ・コミュニケーションにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?