10年近くの長い間 機材の保管箱の底の方で忘れられていました。箱のなかで布にくるまれていたにも関わらず白くホコリだらけの状態で発見、軽く掃除して動作を確認すると何とか動くようだったので、なるべく綺麗にして使ってみることにしました。
フィルム装填
スプリングモーターをあらかじめ巻き上げておきます。
カメラの側面にある裏蓋開閉ボタンを上に押し上げると裏蓋が開きます。
フィルム巻取りスプール端のギザギザを使用してフィルム差し込み口を上に向けます。フィルム巻き戻しクランクを起こし引き上げます。
パトローネを挿入してフィルム巻き戻しクランクを元の位置に戻します。フィルムの先を巻取りスプールのばね板の溝に充分にまっすぐに差し込みます。確実に差し込んだら裏蓋を閉じます。側面の裏蓋開閉ボタンが完全に下に下がるまで、しっかりと閉めます。
カメラ上部のフィルムカウンターの数字がSから0になるまで、シャッターを切ります。これでフィルムの装填が終了します。
次にフィルム感度の設定をします。背面上部のレバーにある感度を赤矢印に合わせます。これで撮影の前準備はできました。
このカメラの露出は、シャッタースピード・絞りともにオートで決めるモードと、どちらも手動で選択するマニュアルモードの2種類です。
オートのモードは本体側絞り還をAの位置にします。撮影距離は目測ですがレンズ外側の距離環を被写体に合わせて動かします。距離環にあるPはポートレートのP、Gはグループ、これを目安に距離環を合わせます。
露出をマニュアルで撮影する場合は最初に絞還をA以外の目盛りに合わせます。こうすることでシャッタースピードを選ぶことが出来るようになります。
シャッタースピードはレンズの下部にあるレバーで選択します。選択出来るのは1/30秒~1/300秒までです。絞り還がAの位置にあると、このシャッターのレバーはAの位置に戻ってしまいます。
フィルムを撮り終えたら巻き戻しは手動です。カメラ上部の巻き戻しボタンを押しながらクランクで巻き取ります。
主な仕様
型式 | 35mmハーフサイズ・スプリングモーター巻き上げEEカメラ |
レンズ | フジノン f2.8 28mm 4群5枚構成 |
シャッターと絞り | B、1/30、1/60、1/125、1/300秒 フラッシュスピード1/30秒 (X接点) A(オート) f/2.8、4、5.6、8、11、16、22 |
焦点調節 | 前玉回転式 ∞〜0.6m P(ポートレート)とG(グループ)のマークにクリックストップ |
ファインダー | 採光式ブライトフレームファィンダー |
画面サイズ | 24×17.5mm |
EE方式 | セレン光電池によるプログラムEE(手動可能) ASA10〜200、連動範囲 LV8〜17 (ASA100の時) |
フィルム感度 | ASA 200、100、64、25、12 |
セルフタイマー | 内臓、A(オート)時も作動 |
フィルム給送 | スプリングモーター巻き上げ |
フィルムカウンター | 順算式、裏蓋開閉時に自動復元 (2コマ送り) |
フィルム巻き戻し | 手動 |
1964年、昭和39年の発売で、フジカハーフを基本としてスプリングによる巻き上げを採用撮影時に18コマ連続巻き上げが出来るというのがこのカメラの大きな特徴でした。後のモータードライブの基となったようなカメラだったようです。
スプリングモーターの巻き上げ音、シャッターレリーズとその後のフィルム巻き上げ音を載せておきます。
目視ではシャッタースピードも光量により変化しているようなので撮影出来ると思い、一生懸命掃除してモルトも貼り替えましたが、さあどうだったでしょうか?
撮影結果は、次の頁に載せます。
※ 参考文献 朝日ソノラマ クラシックカメラ専科No.44 特集 富士写真フイルムのカメラ