Canon DIAL35

Camera & Photo
ダイアル35-2型 - キヤノンカメラミュージアム
キヤノンのフィルムカメラ、その他、ダイアル35-2型をご紹介しています。

1963年(昭和38年)11月発売の35mmハーフサイズのカメラです。
最大の特徴は何と言ってもこのデザイン、唯一無二のカタチをしています。ただこれが使いやすいのかと言えば、普通のカメラからするとどう持てばよいのか迷うというのが本音です。
機能的な特徴としては、 スプリングモーターによるフィルム巻上げとシャッターチャージで、シャッターボタンを押すだけで連続撮影ができます。フィルムはグリップを巻き上げるだけのオートマチックローディングセット、スプリングモーターによる自動? 巻戻しになっています。 フィルムカウンターについてはフィルム送り、巻戻しのいずれにも連動する逆転可能な仕様です。

各部の名称

フィルムの装填
カメラサイドのり裏蓋開閉ノブを押し上げて裏蓋を開きます。

パトローネを入れたらフィルム先端を巻取りスプールの溝に入れ突起にパーフォレーションをかけます。
少しだけ巻上げてスプロケットの歯にパーフォレーションを合わせます。
※ 写真はやや多めに巻かれています。

蓋を閉じ矢印の方向にグリップを回してスプリングモーターを巻上げます。

リーダー部分が送られて、フィルム枚数計がSから0になります。

0になってからも、グリップが空回りするまで巻き上げておきます。使用説明書には1回の巻上げで約20枚以上の撮影が出来るとありますが、古くなった状態では撮影出来るの枚数はそれぞれ個体によって違うと思います。必要に応じてまき直します。このカメラはこのスプリングモーターを巻き上げないと、フィルムも巻かれず、シャッターも切れません。

フィルムの感度設定
レンズ外周にあるローレットを回して使用するフィルムの感度を合わせます。目盛りの中間は使用出来ませんので必ず感度指標に合わせクリックストップする位置に合わせます。私のカメラはこの部分が固く最初は回せませんでしたが、これは指標部分でのロックが固かったようでそのあたりで少しだけ回転する周囲の部分を押すように回すことで回転させることが出来ました。

シャッタースピードを合わせる
シャッター速度の指標は下側にあります。カメラ前面の円筒部分全体を回転させて合わせます。

距離を合わせる
距離合わせはレンズ上部のフォーカシングレバーを使用します。レバーを動かすとファインダー内の距離表示指標が上下に動きます。被写体までの距離をファインダー内のゾーンフォーカスマークで合わせる事が出来ます。

ファインダー表示
被写体はブライトフレームの内側に入れます。近距離撮影の場合はパララックス補正マーク(近距離補正マーク)の内側に入るようにします。カメラと被写体の距離は距離表示指針を見ながらフォーカシングレバーで合わせます。下部のある露出計指針がセンターフレームの範囲にあれば適正な露出で撮影されますが、赤い部分では露出不足なのでシャッタースピードを遅くするかフラッシュが必要になります。反対に露出オーバーマークの位置に指針がある場合は、シャッタースピードを速くするかフィルターなどを使用する必要があります。

マニュアル撮影とフラッシュ撮影
フラッシュ撮影をするためには絞りを固定する必要があるためこのカメラにはオート-フラッシュ切替ボタンがあります。このボタンを引き出して回転させれば絞りを任意に設定することができます。ファインダー表示の絞り目盛りで確認することが出来ます。
これを使用してシャッター速度、絞りとも任意に選択するマニュアル撮影が可能です。

私の持っているこのカメラは露出調整が出来ているのか否か大変疑わしい個体です。その一因に電池の問題もあるのですが(後述)一応給電できるようにしてありますし実際露出計指針は動きます。しかし明らかにアンダー表示なのです。 実際の撮影は諦めていましたが、今回このマニュアル撮影が出来る事がわかり少しチャレンジする気になってきました。

フィルムの巻き取り
フィルムを撮り終わったら巻戻しをします。カメラサイドの下部にあるRと書かれたフィルム巻戻しボタンを時計方向に回しながら押し込み、Rボタンの白点をボディ側の白点に合わせます。スプリングモーターが巻き上げられている分は自動的に巻き戻されますが、その後はRボタンをそのままの位置で押し込みながらグリップを回してフィルム枚数計がSになるまで回し続ける必要があります。押し込んでいないとRボタンがもとに戻って一度巻き戻されたフィルムがまた反対に巻かれてしまいます。これを自動と言えるのか?

実際にやってみるとわかることですが、Rボタンは左手で回して押し込むか、右手で回して押し込んだら左手で押すように持ち替えておかないとグリップが普通には回せません。カメラをひっくり返して左手でグリップを回すという手もありますが・・・

主な性能

発売日1963年(昭和38年)11月
型式35mmフィルム使用の24mm×18mm判デミサイズカメラ
レンズキヤノンレンズSE28mm F2.5 改良トリプレットタイプ3群5枚構成
マゼンタとアンバーを配合したスぺクトラコーティング
焦点調節風景、グループ、ポートレート、
3つのゾーンフォーカスマークを利用するヘリコイド式
シャッター1/30、1/60、1/125、1/250秒 ビハインド ザ レンズ シャッター
メーターCdS方式 レンズの絞りと完全連動するシャッター優先E
電源1.3V水銀電池1コ使用
メーターの作動範囲ASA100に対してLV6~LV21に相当する明るさの範囲
フイルム感度目盛ASA 8、12、25、50、100、200、400
ファインダー画角を示すブライトフレーム、絞り目盛、ゾーンフォーカスマーク
自動空送り装置フィルムを装填してからスプリングモーターを巻き上げると
フィルム枚数計は S から 0 に進んで フィルムの空送りがおこなわれ
自動的に1枚目がセットされます
フィルム枚数計巻上げ 巻戻しに連動する自動表示式
フィルム巻上げと巻戻しスプリングモーターによるパワードライブ方式
フラッシュ同調X接点、スピードライト M級 F級に対し同調可能
大きさ・重量99mm×75.5mm×43.5mm 430g

使用する電池
このカメラに使用する電池はカメラ内部にMALLORY RM-1Rの表示がある1.3Vの水銀電池で今はもう手に入れる事は出来ません。電圧的にはLR44などで代用できるはずですが、形状が全く異なりそのままでは使用出来ません。アダプターも売られているようですが、今回はアルミ箔を丸めたスペーサーでとビニールテープで代用しました。 フィルムを装填しているところで少し見えていますが、あの状態からアルミ箔と電池を合わせて周囲をビニールテープを巻きました。 が先に書いたように露出表示がアンダーなのでその状況を写真として掲載することは止めておくことにしました。

このカメラを使用して実際に撮影してみるかどうかはもう少し検討します。
一部モルトが無いようですからその補修も必要なのです。