RICOH AUTO HALF SE の “撮影の手引” という取説を実際に再現していこうと思います。
このカメラの特長
1. フィルムオートスタート スプリングの巻上げにより、フィルム装填後の送り動作、シャッター後のフィルム巻上げが自動的に行われて撮影が出来ます。
2. 露出計完全連動EE セレン光電池による露出制御で露出の調整は不要です。
3. ピント調整は必要なし 固定焦点レンズなのでピント調整は必要なし=出来ません。
4. セルフタイマー内臓 スプリング式のセルフタイマーが内臓されています。
各部の名称
仕様
レンズ | リコー F2.8 25mm 3群4枚構成テッサータイプ 固定焦点式 |
シャッター | セイコーシャッターBS11型エバーセット方式 1/125秒 (オート撮影Aのとき) 1/30秒 (フラッシュ撮影のとき) X接点 (ストロボ、M級バルブに同調) |
ファインダー | 採光式ブライトフレームファインダー 倍率0.32 視野85% |
露出計 | セレン光電池使用完全連動EE、連動範囲EV10~16 ファインダー内露出警告マーク表示 (黄色→適正・赤→不足) |
フイルム操作 | 自動的に一枚目をセットするフィルムオートスタート方式、 スプリングモーターによる自動巻上げ、二重露出防止装置付、 クランクによる巻戻し |
セルフタイマー | 作動時間 6.5~15秒 |
大きさ・重さ | 89mm×67mm×34.5mm 350g |
注意点
フイルムの入っていないときにはシャッターは切れません。フイルムを入れスプリングを巻き上げてください。※フィルムが入っていなくても裏蓋を開けスプロケットをフィルムの巻上げ方向に動かしてやることによってシャッターがチャージされシャッターを切ることはできます。動作確認などの参考まで
巻き上げたスプリングの解除方法。スプリング巻上げノブの赤い印とREWIND POSITIONプレートの赤い三角マークを合わせて、巻戻しボタンを押したままでシャッターボタンを押し、シャッターボタンから指を離します。ジッーと音がしてスプリングが開放されます。
撮影の大まかな流れ
撮影準備
1. カメラにフィルムを入れる
2. スプリングを巻き上げる
3. 露出ダイアルをセットする
〇 ASAダイアル フィルム感度のセット (ASA=ISO)
〇 絞りダイアル 通常はAに合わせる
撮影
1. ファインダーをのぞいて構図を決める
2. 露出警告マークの表示を確認してシャッターを切る
撮影終了後
1. フイルムを巻き戻す
2. フィルムを取り出す
フィルムの入れ方
カメラにフィルムを入れる時は直射日光を避けましょう。
カメラサイドの裏蓋開閉ボタンをOPENの方向へスライドさせて裏蓋を開きます。次にフィルム巻戻しクランクを引き出します。
パトローネ室にフィルムを入れます。パトローネが入ったらフィルム巻戻しクランクを戻します。この時パトローネの軸受けと溝がかみ合いフィルム巻戻しクランクが元の位置まで入るようにします。
スプリング巻上げノブを回してスプールバネのフィルムくわえ口を上にもってきます。
※ ノブを回してもスプールが回らない場合はノブを前後に回して巻き上げる動作を数回行います。フイルムのくわえ口は3か所ありますが、どれでもかまいません。
フイルムの先端を少し引き出してスプールのフィルムくわえ口に差し込みます。この時フィルムのパーフォレーションとバネのツメが合うようにします。次にスプリング巻上げノブを少し回して、フイルムを巻き上げます。
スプロケットの歯とフィルムの穴を合わせます。
※ スプロケットの歯とパーフォレーションが合っていないとフィルムが余計に送られてしまいます。
フィルムが正しく入れられたら、裏蓋を閉じ、スプリングを巻上げます。スプリングの巻き上げはラチェット式なので一方向に巻上げなくでも前後に動かして巻き上げることが出来ます。止まるまで巻き上げます。スプリングを巻き上げるとフイルムは自動的に1枚目にセットされます。※ 私の持っているカメラの場合はカウンターがこの位置で止まりました。参考まで
露出ダイアルの調節
カメラ上部のASAダイアルを回して、装填したフィルムの感度を合わせます。ASA100はISO100と同等です。次に絞りダイアルを回してAの位置に合わせておきます。
ファインダーの見方
ファインダー内に見えるフレーム線の内側に写そうとするものが入るようにカメラの位置を決めます。このカメラは固定焦点なのでピント調節はありません。
普通に撮影出来る露出の時にはファインダー中央部に黄色の円形マークが見えます。もしこの円形マークが赤色の時は露出不足ですからフラッシュ撮影をするなどが必要です。
カメラをしっかり構えてシャッターボタンを最後まで押します。シャッターボタンを離すとジッーと音がしてフィルムを次のコマのまで巻き上げます。
シャッターボタンが押せない時
1. フイルム巻上げスプリングが全部戻った時、この場合は再びスプリングを巻き上げます。
2. フィルムを全部撮り終わっている時、フィルムを巻戻し新しいフィルムを入れます。
3. フイルムが入ってとない時、フイルムを入れスプリングを巻き上げるとシャッターが切れます。
セルフタイマー撮影
カメラ前面のセルフタイマーレバーを倒します。そのごシャッターを押すとセルフタイマー撮影となり一定時間経過後にシャッターが切れます。私の持ってるカメラでは約10秒ほどでした。
フィルムの巻戻しと取り出し
フィルムカウンターでフイルムの終了を確かめます。巻上げノブの赤い印とREWIND POSITINパネルの赤い三角印を合わせて巻戻しボタンを押します。すると、ジッーと音がしてスプリングが戻りますがこれはフィルムの巻戻しとは関係がなくフィルムが巻き戻されているわけではありません。
フイルム巻戻しクランクを起こし、矢印の方向に回してフイルムを巻戻します。フイルムを巻き終わるとクランクは急に軽くなります。
※ 巻戻しボタンが元に戻らない場合は、巻上げノブを時計方向に回して、巻上げノブの赤い印とREWIND POSIRIONパネルの赤い三角印をずらしてください。
フイルムの巻戻しが終了したらフィルムをカメラから取りだします。
今回は以上です。