lomography SIMPLE USE フィルムの交換(再装填)

Camera & Photo

ロモグラフィーの “写ルンです” ライクなカメラ。あらかじめ装填してあるフィルムで撮影が終わったらフィルムを取り出して現像へ、そして新しいフィルムを入れ替えれば再利用が可能なカメラが、このSIMPLE USE です。
ですが、再利用可能としながらも ※注:自己責任 の注意書きがあちらこちらに見られます。その理由は再装填するのがチョット難しいから、なのかもしれません

基本的な使い方はlomographyのページに解説があるので、まずはそれを参照してください。そのうえで捕捉の説明をしてみようと思います。

Lomography - Simple Use Film Camera: 使い方・フィルム交換方法
ロモグラフィーのSimple Use Film Camera (レンズ付きフィルム)の詳細な使い方や、フィルムの交換方法をご紹介します!

フィルムを撮りきってフィルムのカウンターにEが表示されるようになると巻き上げダイヤルが軽くなり回し続けることが出来るようになります。カメラの裏蓋を開く前に底部に貼られているシールをあらかじめカットしておくとスムーズに開くことが出来ます。裏面のシールを見るとハサミのイラスト部分にミシン目が入れてありますが、矢印の位置が裏蓋の開閉部分なのでカッターがあればこの溝に刃を入れてカットしておくことをお薦めします。

裏面から見て右側のロックを下げて裏蓋を開くとこんな状態です。フィルムはパトローネの中に全て巻き取られた状態になっています。フィルムを取り出して現像に出しましょう。

新しいフィルムを入れてみましょう。

一般的なフィルムカメラと違ってフィルムの巻き取りスプールにあるのは、たった一つだけの突起です。これをフィルム先端のパーフォレーションに引っ掛けて巻き取る必要があります。これが難しいのでlomographyの解説では先端をマスキングテープで固定して・・・という記述があります。ですが、これがフィルム現像機の不具合を引き起こす原因になる事案 (※注1) が確認されていますので出来る限りマスキングテープの使用は止めておきましょう。もしどうしても使わないと巻けない場合は現像に出すときに、パトローネに巻き取られたフィルムにマスキングテープがついているかもしれない事を必ずお店のスタッフに伝えて (※注2) 現像にするようにしてください。先に記述したようにこのカメラはフィルムを撮りきると全てパトローネの中にフィルムが戻った状態になります。この時に先端に貼り付けたマスキングテープをパトローネの中に巻き込んでしまうことがあるようです。

この突起にフィルム先端のパーフォレーションを引っ掛けて下部のプレロードレバー(クランク)でフィルムを巻き上げます。※ lomographyの解説 参照 このときにスプールから外れないように少し多めに巻いておく方が安心です。

さて、これで裏蓋を閉めたらフイルムの装填が終わりという訳ではありません。
このカメラはフィルムを入れたら裏蓋を閉めて、最初にスプールに未露光のフィルムを全て巻き取っておいてから撮影するたびにパトローネに巻き戻していくタイプです。
裏蓋を閉めてプレロードスイッチを爪で左側に押しながら、プレロードレバーを反時計回りに回してフィルムをスプールに巻き取ります。 プレロードスイッチが押されていないと巻き上げられません。押しながら巻く操作には少しコツがいります。プレロードスイッチを押すことに気をとられ裏蓋を強く押していると巻き上げにくくなってしまいます。軽くプレロードスイッチを爪で左側に押しながら巻き上げていきます。フィルムの巻き上げが終わるとプレロードレバーは動かなくなります。今回はいつもの24枚撮りのフイルムを入れてみましたのでカウンターには24の文字が見えました。
一応念のため書き加えますが、この状態になったら決して裏蓋を開けてはいけません。未露光のフィルムが全てスプールに巻き取られた状態です。裏蓋を開けたらフィルムが感光して撮影出来なくなります。

これでフイルムの入れ替えは終わりですが、一度裏蓋を開けると側面1か所のロックだけで裏蓋が開いてしまいます。不用意に裏蓋が開かないように側面や底面にマステを貼っておくのも良いかもしれません。マスキングテープはフィルムではなくボディに貼って使いましょう。

カウンターの数値が正常に装填したフイルムの撮影枚数を示していればまず問題はありませんが、シャッターを切った後フイルムの巻き上げ時にプレロードレバーを収めたスプールの部分が回転することを確認出来ればより安心です。

詰め替えフィルムによる撮影例 FUJIFILM 記録用カラーフィルム ISO100 24枚撮

今回は既存で入っているISO400に変えてISO100のいつもの業務用フィルムを再装填しましたが、晴天時の撮影では特に問題なく撮影出来ていると思われます。

しかし、富士フイルムの “写ルンです” と比較すると・・・私見ですが、やや解像感もピントも色乗りも甘いというか弱いというか、良くも悪くもトイカメ感が漂うようです。これはこれで面白いとは思うのですがスキ嫌いはあるでしょうね、さてどう思われます?


※ 注1 フィルム現像機の不具合を引き起こす原因になる事案とは
フィルム現像機内で液の循環が行われなかったり、弱くなったり、オーパーフローが行われず液が溢れ出したり、薬液のコンタミネーション(混入汚染)が起こったりした原因の一つに紙詰まりがありました。通常フィルム現像機の薬液内に紙片などが混入する原因は見当たらなかったのですが、フィルムをマスキングテープで固定するなどで使用されている事がわかり紙片混入の原因はほぼこれによるものであると推測されました。
コンタミネーションを起こすと全ての薬液の交換が必要となります。またその原因特定と除去にも時間を要するため現像が長期に渡り出来なくなる場合があります。もちろんそれ相応の費用負担が必要になります。お店やラボだけではなく多くのフイルム写真が好きな人たちにも迷惑がかかってしまうことになりますので注意しましょう。

※ 注2 マスキングテープがついているかもしれない事を伝えるとは
あらかじめパトローネ内にマスキングテープが入っているかもしれない事がわかれば、現像処理の前にパトローネから専用のカートリッジに巻きなおして現像することが出来ます。巻きなおすときにマスキングテープの有無を確認できるので現像機の不具合を引き起こす原因を取り除くことが出来ます。
同様に濡れてしまったフィルムや先端が切れたフィルムなどもわかっている範囲で良いので伝えると適切な処理で大切な写真を守る事が出来ると思います。