この写真を撮影した頃に使っていたコンデジ Nikon COOLPIX P5100 にはモノクロコピーとか黒白動画モードなどがあったのですが、普通の黒白写真を撮る機能はありませんでした。街中のスナップは黒白なら面白いと思うシーンがたくさんあります。このときは後で黒白に変換する前提で小一時間撮影しました。
フィルム時代の黒白写真は、使用するフィルム、感度、カメラ、露出のアンダー・オーバー、そしてフィルムの現像時間、さらにはフィルムからプリントする時の引き伸ばし機のレンズ、倍率、絞り、露光時間、印画紙の種類、現像時間・・・e.t.c. 写真の仕上がりを変化させる多くの要因がありました。どこかで無理をすると画面を荒らし滑らかな階調が失われてしまったりしますが、それがまたその写真の良さになったりもします。
デジタルカラーで撮影した画像を黒白に変換するにあたり単純に黒白化するだけではなく、トーンを変化させたりフィルム粒状を加えたりしています。この粒状追加は見た目の装飾で不要ではないか、といった意見もあるようですが、フィルム時代には意図せずともそこにあったいろいろな要因の粒状感は、光と影の表現にプラスアルファの質感を加えるものとして写真を構成する要素の1つだったと思っています。それは光の質感であったり、被写体の立体感であったり、今回はそれをデジタルで撮影した写真でも再現してみたかったからです。
今回転載するにあたり黒白化と粒状追加、トーン変更を再編集してあります。今見返すと以前の処理はやや過剰であったように思えたことと、トーン以外は全ての画像を同一条件で処理したかったからです。ちょうど同じフィルムで撮影したかのように。
2009年1月 名古屋市中村区名駅界隈にて 小一時間のコンデジ Nikon COOLPIX P5100 にて撮影
今回の転載にあたりPhotshopCCにて再処理、 B/W化、フィルム粒状追加、トーン調整など
※ 1点を除き他はノートリミングで撮影時のままです。掲載のためリサイズはしています。
※ 過去のホームページからの転載記事を再構成したものです。