110カメラ・フイルム

Camera & Photo

始めて買ったカメラはコダックの110でした。まだ当時は写ルンとかのレンズ付きフイルムが無い時代でしたから・・・

※ 内容は2009年当時のものです

110 (ワンテン) フイルムとカメラ

1971年にコダックがこのカートリッジフイルムとカメラを発売しました。その後に他のメーカーもフイルムやカメラを作り始めます。
1970年代から80年代には、気軽な携帯用のポケットカメラとして普及しました。電池のいらない固定焦点のものから連動距離計付き、電子シャッター内蔵のもの、レンズ交換の出来る一眼レフ型など、その種類は豊富にありました。私が最初に購入したのも固定焦点の単純なモノです。写真:左上 ですが、その後は35mmフイルムカメラのコンパクト化が進み、写ルンなどレンズ付きフイルムの発売や、小さなフイルムサイズによる画質の低さなどの理由もあって姿を消していくことになります。

最近になってトイカメラのブームなどにより、デメキンカメラに代表されるように、構造を簡素化できることを利用した かわいい110のトイカメに人気が出たり、フイルムの高画質化でカメラによってはL判程度なら、充分な画質を得られるようになった事で再び一部で注目されていました。残念ながら富士フイルムもコダックも既に110フイルムの製造終了を発表していますが、イタリアのFerraniaのSolaris 200、またアグファフォトやsakuraというブランド名のフイルムは今だ雑貨店などで流通しています。

110フイルムの現像とプリント

インターネットには、一般の写真店のミニラボ機で現像や焼き付けが出来ないと書かれている事が多いようですが、正確には現像をするための経験や技術がなかったり、焼き付けをするためのオプションがないから出来ないというのが本当の理由だと思います。例えばフジフイルムのミニラボチャンピオン フイルムプロセッサーという機械があります。フジカラーのお店であれば、たぶん多くのお店に置いてある ネガカラーフイルムの自動現像機ですが、この機械では35mm(135)の他に、APS、110、126、ブローニーの120と220、これだけのサイズのカラーネガフイルムが現像出来ると解説しています。考えれば納得できることなんですが、サイズが違うだけで中身のフイルムが同じものはたくさんあります。しかも流通しているネガカラーフイルムの指定現像はCN-16或いはC-41ですから現像機に通す事ができさえすれば現像出来るのはあたりまえと言っても良いのです。 では何故現像が出来ないのでしょう?  答えは簡単です。35mmのフイルム以外は、それぞれ専用のカートリッジに詰め替える必要があるからです。APSは規格が一番新しいのでフイルムを自動で詰め替えてくれる機械を持っているところが多いので、お店で処理が出来る確率が高いのですが、それ以外のサイズは1本毎に暗箱や暗室でフイルムを専用カートリッジに詰め替える必要があります。手作業なので知識や技術が必要になり場合によっては大きなリスクも伴います。そしてその中でも110フイルムはその構造上取扱が以外に難しいのです。

 110のフイルムを詰め替える場合、 正常にフイルムエンドで止まっていてくれれば良いのですが撮影途中で止まっているフイルムは完全に巻き上げる必要があります。フイルムエンドまで巻き上がったフイルムを暗箱の中で、カートリッジにフイルムが擦らないように注意しながら裏紙とネガを一緒に引き出します。どちらか片方だけに力をかけすぎるとカートリッジの中で巻きが膨らんで引き出せなくなります。あるいは一見正常に見えても、既に裏紙とフイルムの巻き込みがカートリッジの中でふくらんで最初から引き出せないモノもあります。また無理矢理巻きすぎてフイルムエンドが巻き込まれてしまっているものもあります。これらはカートリッジを壊して取り出すほか方法がありません。傷つきやすい現像前のフイルムが巻かれているカートリッジを、暗箱の中で手探りで壊すなどという大きなリスクを伴う作業は、本当に誰もしたくないことです。これがお店では現像しない本当の理由だと思います。
では、何処なら安心して現像出来るのでしょうか? 
基幹ラボとか総合ラボと呼ばれる写真ラボが適当でしょう。最近はラボの数も激減していますが、ラボには暗視カメラを装備した大型の暗箱があったり、途中撮影の110フイルムを巻き取る工具があったり、長年に渡って110フイルムを現像している技術や経験のあるところも多く、多様なトラブルのケースにも技術や設備が対応出来ると思います。

プリント・スキャニング

詰替カートリッジ

 現像後の110のフイルムは、片パーフォレーションで16mm幅、24枚撮りでは70cmほどの長さです。1コマの画面サイズは13×17mm。現在の自動プリンターはフイルムサイズに応じて専用のキャリアがないと正常にプリントが出来ません。 普通のお店では正常なプリントがなかなか出来ない理由はこれです。 ネット上では自分でスキャンした方が綺麗だと書かれている事をよく目にします。お店にある35mmやブローニーのマニュアルキャリアを工夫して1コマずつスキャニングすることが出来ないわけではありませんが、自動補正が正常に働かなかったりフイルムを傷つけずに平面を保つことが難しかったりで、正常なスキャニングを行うのは大変です。

110用ネガキャリア

110専用のキャリアがあれば話は別です。110の場合は1コマずつ手動で送ってプリントやスキャンをするキャリアなので、カラーや濃度の補正も35mmに比べると時間がかかりますが、フイルムを傷つける事無く自動補正も正常に利用できます。このキャリアを使ってスキャニングをしてCDを作成する事も出来るので、データがあれば他のお店や自分でもデジカメ同様にプリントが可能になります。

過去のホームページからの転載記事です。