写真フィルムの種類として最初に思い浮かぶのは、カラーか白黒か、ネガかポジか、ですよね。
現在のフィルム写真はレンズ付きフィルムの”写ルンです”を使うとか、インスタグラムを見てとか趣味の写真あるいは作品創りが主であると思います。それらはネガカラーが中心でプリントだけではなくデータ化を望まれる方も大変増えているように思います。
写真のデジタル化以前は、カラーネガは写真の使途を問わず主に銀塩のプリント用、ポジ=リバーサルフィルムは撮影者の意図した色を直接表現できる手段としてコマーシャル写真や各種の印刷原稿、パネルディスプレイや看板用の大型プリント原稿など幅広く業務用に使用され、他にもスライドプロジェクターを使用した上映などにも使われました。またリバーサルフィルムから銀塩ぺーパーへのダイレクトプリントなどもありましたので写真家やハイアマチュアの作品創りにも使用されていました。現在銀塩のプリントはネガ、リバーサルを問わずスキャニングされてデジタル化したものを銀塩ペーパーに出力する方法が一般的です。特にリバーサルフィルムからのダイレクトプリントがは、そのための感材や薬品の販売を終了しているはずですので、以前のような光学的な引き伸ばしによるダイレクトプリントは得られなくなっています。
次に形状による写真フィルムのタイプは大きく分けて2種類あり、
35mmやブローニー(2B/ツービー)などの巻取り式のロールフィルムと
4×5(シノゴ)など差し替え式のシートフィルムがあります。
ブローニーは同じフィルムを使用してもカメラやフィルムバックの違いにより、6×4.5(ロクヨンゴ)6×6(ロクロク)6×7(ロクナナ)6×8(ロクハチ)6×9(ロッキュー)パノラマ(2Bフィルムを使用した物)等異なる画面サイズになります。
35mmフィルムにもハーフサイズカメラやパノラマの画面サイズがあります。ハーフサイズは文字通り通常の35mm画面サイズの半分となり撮影枚数が倍増します。パノラマは高級機では35mmの通常サイズに対して長辺が長くなりますが、一般的なコンパクトカメラのパノラマは通常の35mmサイズの画面の上下をカットしたタイプの物が主流でした。
この他にもロールフィルムではデジタルとの切り替わり前に現れたAPS(アドバンスドフォトシステム)フィルムやトイカメラによく使用されている110フィルムなどもあります。
シートフィルムでは 4×5(シノゴ) 以外にも、5×7(ゴウナナ)、8×10(エイトバイテン或いはバイテン)などがあります。また4×5フィルムを半分使用した“シノゴニブンノイチ”という使い方をする場合もありました。
代表的なフィルムのイメージと有効画面の目安を下記に記します。
35mm(サンジュウゴミリ)
/単にサンゴーとか135(イチサンゴ)とも呼ばれる
有効画面(目安)
短辺24mm×長辺36mm
画面サイズから6×6(ロクロク)
フィルムサイズからは2B(ツービー)
或いはブローニーと呼ぶ
有効画面(目安)
約55mm×約55mm
画面サイズから6×7(ロクナナ)
フィルムサイズからは2B(ツービー)
或いはブローニーと呼ぶ
有効画面(目安)
短辺55mm×長辺68mm
4×5(シノゴ)
有効画面(目安)
短辺95mm×長辺120mm
イラスト右側上部の切り欠きをノッチと呼びこれでフィルムの種類を判断することも出来ました。
私自身としては今更の内容だったのですが、写真のデジタル化が更に進みフィルムの種類も激減、価格も年を追うごとに上昇しています。一番ポピュラーな35mmのネガカラーフィルムでさえ現像出来るところが減り続けている現在では、記憶もどんどん薄れていきますので備忘録の意味でも改めてまとめておきたいと思い記しました。