NATURA1600のフィルムがなくなってしまうタイミングで、長い間お世話になった NATURA CLASSICA を取り上げたくなりました。でも手元にあるのは4年くらい前にエラーが出て使用出来なくなった個体だけなので、それを引っ張りだしてきて本体の撮影を始めたのです。レンズの繰り出しが撮れないものかと、ダメもとで電池を入れてみると普通に電源が入りレンズが少し繰り出して、まずはその状態で1カット撮影、そのあとレンズを最大に繰り出して1カット、ストロボをポップアップさせて1カット、それで一応撮影を終えて電源をOFF。えっ? 使えるんじゃない? とか気になって再度電源をON、シャッターが切れる、ストロボが光る。・・・故障時はエラーが出て操作出来なかったはずで、そのためこれまでの長いあいだ古くなったカメラたちとともに放置されていたのです。さらには写真のように操作ボタンが日本語表記のものは故障した当時、既にメーカー修理はできないタイプになっていて修理もあきらめざるを得なかった記憶も鮮明に残っています。・・・でも普通に動きそうなのです。
ここまで動作が確認出来ればあとはフィルムを詰めてみるしかないと考え、ここは思い切って NATURA1600 を入れてみることにしました。普通にセットされてフィルムカウンターに1が表示されます。さてさてNATURA1600のフィルムがなくなってしまう今 壊れていたはずの NATURA CLASSICA 奇跡的復活をして撮影が出来るのか?
現像上がりのフィルムです。コマ間にややバラつきはあるものの、まあ許容範囲ですね。特に問題なさそうです。なんで撮れるようになったのだろう本当に謎です。ただこのままズット撮れるかどうかはわかりません。とりあえずはもう一本装填しておきました。
ところで左の写真は、フィルムのスキャニングが出来るフラットベッドのスキャナーにフィルムを並べてとったものです。この時にネガフィルムだからといって、スキャナーの原稿タイプにカラーネガフィルムを選んでスキャンしてもこうはなりません。 カラーネガフィルムを選んでしまうとスキャニングソフトの中で画像のカラー反転が行われてリバーサルフィルムのような仕上がりになってしまいます。ですから見たままのフィルムを見せたい今回のような場合にはスキャナーの原稿タイプはポジカラーとかリバーサルフィルムを選んでスキャンをします。そうするとこのようになります。
次に実際の撮影カットです。
これらの写真を見る限り、いずれもほぼ適正露光と言って良いのではないでしょうか、カメラの露出調整についてもおよそ正常に機能しているように思われます。
NATURA1600はその名の通りISO1600の高感度フィルムですからISO400とかISO100などのフィルムに比べると粒子は粗いです。でも適正な露光で撮影された場合にはさほど目立つものでもありませんし、目障りな訳でもありません。このフィルムの味になっていると思います。地下街のラーメン店の写真はストロボなしでも充分な露光が得られています。さすがISO1600です。
夏のピーカンの空のもとでISO1600のフィルムを使って写真を撮る暴挙? 最後の建物と空の写真は逆光気味で撮影したのでこれは完全にオーバー露光です。NATURA1600はこのようなオーバー露光に対しても画像が残るよう設計されている(※注1) のと、お店のデジタルフィルムスキャナーのおかげで写真が取り出せたとも言えるのです。でも他の写真と比べると一段と粒子が粗くなっているのがわかるでしょうか、まあこういった特性もNATURA好きの皆さんは楽しんでいらっしゃると思うのですけどね。
最後の1枚は多重露光ではなく窓ガラスに映ったひまわりを撮ったものですが、このひまわりも実は作り物で大名古屋ビルヂングの屋上イベントの模様です。
ナチュラ使いの女子にはソッポを向かれそうな写真ばかりで恐縮ですが、壊れていたはずのカメラでこれだけ撮れれば上々な結果かと思います。もう1本撮り終わったら、使いたい人もいるので貸し出すことにしましょう。でもいつまで撮らせてくれるのかは誰にもわかりません。
※ 注1 ”オーバー露光に対しても画像が残るように設計”と記しましたが、この記述を裏付けるページが現在無くなっています。一方でこのネガフィルムは-2EVまでの完璧なラチチュードを持つISO400フィルムである。という記述もあったようです。こちらの方が理由としてはより納得できるものとも思われますが、こちらもこの記述を裏付けるページが現在ありませんでした。 いずれも確認が出来ませんが、今回はフィルム自体にISO1600と表示されている事を尊重して前者の記述をしています。
※ メーカーの解説ページなどにリンクをしていましたが、該当ページが削除されたようなのでリンクを削除しました。2020年3月
※ 使い方を追加しました。2020年6月10日 使い方頁においては、まだ不足している写真などがありますので後日追加の予定です。