EOS-3 このカメラは中古購入です。デジカメが一般的になり中古のフィルム一眼の価格が相当下がってからの購入です。その昔1nのサブ機として欲しかったのですが発売時には結局購入しませんでした。当時のフラッグシップモデル1nを凌ぐ性能満載で、しいて劣る部分を上げればファインダーの視野率が100%ではないこと、視度調節が出来ない事くらいでしょうか。
ということで、1n復活に刺激されてこのEOS-3も改めて使ってみることにしました。
中古購入で取説が見当たらないのでネットでいろいろ見ていたら、このカメラも bcエラー が出るようです。今のところ私のカメラでは一度もその症状は出ていないのですが、定期的にシャッター(ミラー)を動かそうかと今更ながら思う次第です。
さて、このカメラの特徴はなんと言っても 45点エリアAF でしょうか、1nが5点なのでその違いは歴然としています。そしてこのAFを効率的に使用するための機能として視線入力の機能があります。視線入力については個人差や種々の条件によりうまく動作しないなどとも言われていて微妙な部分も多分にあります。そして後のカメラには採用されていないという現在の結果を見ても難しい技術だったことがわかります。ですが一つの試みとしては面白い機能だったと思いますし、特に私には比較的マッチしたようで、ある程度の確率で使用に耐えうる機能です。同様の視線入力を持つカメラとしてはEOS-7がありますがAFエリアが7点なので比較すべきではないかもしれませんが、個人的にはEOS-7の視線入力はほぼ私の思い通りに機能しているので、その後のデジカメにも搭載出来たら良かったと思っています。
ボディサイズは1nとほぼ同じです。1nのバッテリーパックBP-E1が共用できることからもわかります。ただ45点エリアAFを収めたファインダー・軍幹部の大きさの違いは感じます。特に背面から見るとよくわかると思います。
電源スイッチは1nと同じ背面の下部にありますがLの表示が赤で表示されています。このLの位置がOFF、使用する時はAかその上のマークの位置で使用します。Aの位置で全ての操作が出来ます。さらにマークの位置にするとオートフォーカスの合焦で「ピピッ」と電子音が鳴るようになります。
45点エリアAFを被写体を注視するだけで選択できるという 視線入力 の機能を使用するためには、まず使用者に合わせてキャリブレーションを行います。実際に使用してみるとわかるのですが、このキャリブレーションにもコツがあり自分が視線を送ったエリアを選択させるためにはキャリブレーション時にファインダーを覗く位置や見つめる場所をいろいろと試してみると良いでしょう。
実際のキャリブレーショの方法は、電源を入れて下の写真のようにファインダー横にあるダイヤルを CAL の位置に合わせて行います。
ファインダーを覗くと、フォーカスエリアの全てが薄く赤く点滅し一番右側のエリアがひときわ明るくなっています。この明るいエリアを見つめてシャッターを押すとピッと音がして次に一番右側のエリアが明るくなります。先と同様にこのエリアを見つめてシャッターを押し、今度はセンターの最上部のエリア、次にセンターの再下部のエリアまで同じ操作を4回繰り返します。その後ファインダー横のダイアルを l の位置に戻して使用します。ちなみにキャリブレーションはCAL-1から3まで3種類を記憶する事ができます。3人分の登録が出来ると記載されてといますが、1人が使う状況によって使い分けるという方法もあります。つまり撮影シーンによりAFエリアが合いにくいと感じたときにそこで再度キャリブレーションを行うとそれらのシーンでのエリアの合致率が向上します。
撮影モードの切替ボタンが大きく押しやすくなり、連射モードなどの切り替えもこの3つのボタンで行えるようになりました。
主な諸元
型式 | モータードライブ内臓35mmフォーカルプレーンシャッター AF/AE一眼レフカメラ |
画面サイズ | 24mmr×36mm |
使用レンズ | キヤノンEFレンズ |
レンズマウント | キヤノンEFマウント(完全電子制御方式) |
ファインダー | ペンタブリズム使用、アイレベル式 |
視野率 | 上下左右とも97% |
標準視度 | -1dp |
フォーカーシング スクリーン | 交換可能(9種類)Ec-Cllタイプ標準装備 |
測光方式 | 21分割高感度SPC使用、TTL開放測光、 1. 評価測光、2. 部分測光(ファインダー中央部約8.5%)、 3. 中央部スポット測光(ファインダー中央部約2.3%)、 4. 11点の測距点に連動したスポット測光(約2.4%)、 5. マルチスポット測光(最高入力回数8回) 6. 中央部重点平均測光 |
露出制御方式 | 1. プログラムAE (プログラムシフト可) 2. シャッター優先AE 3. 絞り優先AE 4. 深度優先AE 5. E-TTLプログラムストロボAE 6. A-TTLプログラムストロボAE 7. TTLプログラムストロボAE 8. マニュアル 9. バルブ |
測光範囲 | EV0~20(常温・50mm F1.4・ISO100) |
使用フィルム 感度 | ISO 6~6400 (DXコード自動設定25~5000) |
露出補正 | 1. AEB、1/3段ステップ±3段、 露出アンダー、標準、露出オーバーの順に撮影、 フィルム巻き上げモードに従って繰り返し撮影可能。 セルフタイマー併用時はフィルム巻き上げモードにかかわらず3コマ連続撮影。 2. マニュアル補正、1/3段ステップ±3段 サブ電子ダイアルあるいは露出補正ボタンとメイン電子ダイアル操作による。 AEBとマニュアル操作の併用可 |
AEロック | 1.オートAEロック ONE SHOTオートフォーカス・評価測光時、合焦と同時にAEロック 2. マニュアルAEロック AEロックボタン押しにより全ての測光方式で可能 |
多重露出 | 9回まで予約可能、予約回数撮影後自動解除 (途中解除/再設定可) |
オート フォーカス | 45点エリアAF(横15mm×縦8mm) |
測距点切替 | 1. 視線入力AF : ファインダー内被写体を注視することによって 任意(45点)の測距点でAFを行う。 2. 手動選択オートフォーカス 3. 自動選択オートフォーカス |
シャッター型式 | 全速電子制御・縦走りフォーカルプレーンシャッター |
シャッター速度 | 1/8000秒~30秒(1/3段ステップ)、 X同調最高速度1/200秒 |
フィルム給送 | 〇 フィルム装填 : 自動 〇 巻き上げ : 内臓モーターによる自動巻き上げ 〇 巻き上げ速度 : シャッタースピード1/250秒以上の条件で 1. 連続撮影 : ワンショットマニュアル約4.3/秒、AIサーボ約3.3枚/秒 2. 連続撮影L : ワンショットマニュアル、AIサーボとも約3枚/秒 3-1. 連続撮影H : ニッケル水素パックNP-E2使用時 ワンショットマニュアル、AIサーボとも約7枚/秒 3-2. 連続撮影H : 単3型乾電池各種8本使用時 ワンショットマニュアル約6枚/秒、AIサーボ約5枚/秒 〇 巻き戻し : フィルム終了と同時に自動巻き戻し |
電源 | 1. 本体のみの場合、リチウム電池2CR5 1個 2. バッテリーパックBP-E1装着時、リチウム電池2CR5 1個と 単3形乾電池(アルカリ、マンガン、Ni-Cd)4本のどちらかより供給(切替式) 3. パワードライブブースターBP-E2装着時、単3型乾電池(アルカリ、マンガン、Ni-Cd、リチウム)8本か、ニッケル水素パックNP-E2から供給 |
先にも書きましたが中古購入で取り扱い説明書が見当たらないのですが、EOS-3 TECHNICAL OVERVIEW というカタログは見つけましたので搭載されている機能についてはよくわかります。しかし今回もこのくらいにしておきます。
そういえば本体はアルミダイキャストをインサートしたガラス繊維入りポリカボネイト樹脂、外装にはエンジニアプラスチック・・・と記載されていました。
合焦、ミラーアップ、レリーズ、巻き上げのワンショット音3回と連射音2回です。