このカメラは「オートボーイスーパー」と呼ばれ、大口径の40mm F1.9のレンズを採用しシャッターは電磁駆動のボタン式で、オートフォーカスにCCDセンサーによる三角測量方式を採用した35mmサイズの全自動のカメラです。ただしカメラ自体にはオートボーイの名前は一切なくヒットしていたオートボーイの名前を愛称として後付けした感があります。以前にこのカメラを使用して画角を”ましかく”に改造したカメラの頁を載せてありますが、今回の掲載に合わせてそちらも内容を更新しました。ましかく改造の頁は一番最後にリンクがあります。
公式ページはキャノンミュージアムの頁です。以下にリンクを貼ります。
各部の名称
特に変わったところはありませんが、本体の大半はプラスチックですが裏蓋は金属製です。
電池の装填
電池はカメラ底面、グリップの位置が電池室です。カバーのへこみにツメを引っ掛けてスライドさせて開きます。使用する電池は単三電池が2本です。写真のようにプラス、マイナスを間違えないようにいれます。
電池カバーを閉じます。電池のチェックはカメラ裏面のダイアルで行います。OFFの位置からB.C(バッテリーチェック)の位置に回すと使用出来る電池であれば、ピッピッピッピッ・・・・早い間隔で電子音がなります。
フィルム装填
カメラ裏面から見て左側サイドの下部にあるボタンを下にスライドすると裏蓋が開きます。
カメラの内部
パトローネをフィルム室に下のほうから入れ、フィルムの先端をオレンジマーカーの位置まで引き出します。その時にパーフォレーションがスプロケットの歯に合うようにします。
裏蓋を閉じます。このカメラは裏蓋を閉じただけではフィルムの給送はしませんのでスイッチをONにします。
シャッターボタンを押してフィルムの空送りを行いフィルムカウンターを”1″の位置まで送ります。
フィルムの感度合わせ
写真の矢印の位置にある押しボタンを押しながら環を回してフィルム感度を装填したフィルムに合わせます。ASA表示ですがISOも同じ数値でかまいません。個体差かもしれませんが、私のところにあるカメラはこの環が非常に回しにくいのです。力を入れすぎないように注意しましょう。
これで撮影の準備はできました。
ファインダー情報
ファインダーをのぞくとブライトフレーム(撮影範囲を示すフレーム)が見えます。私の持っているカメラでは経年変化で上部がやや見えにくくフレーム自体も全体に剥がれ? 腐食? が見られますが写真の写りには関係がないので特に問題ではありません。フレームの中に一回り狭い範囲を示すマークがありますが、近接撮影時はこの一回り小さい範囲の中に被写体を収めます。パララックス(視差)補正とも呼ばれますが、ここでの解説は割愛します。真ん中にオートフォーカスフレーム、右側のゾーンフォーカスマークはオートフォーカスでピント合った位置が赤く光ります。通常は見えませんが、シャッターボタンを半押しするとオートフォーカスによるピント合わせが行われてそのピントがあった位置の目安としてどれかが赤く光るのです。
セルフタイマー
裏目のダイアルで切替てカメラを三脚などで固定して被写体に向けシャッターボタンを押すと、最初はピーピーピー・・・とやや間隔を置いた電子音、そのあとピッピッピッと間隔が早くなってシャッターが切れます。
内臓フラッシュ撮影
カメラ裏面のフラッシュスイッチをスライド①させて内臓フラッシュをポップアップ②させます。暫くするとファインダー横のフラッシュ確認ランプが点灯します。これでフラッシュ撮影の準備が出来ました。
フラッシュ撮影では必ずランプの点灯を確認してからシャッターを押さないとうまく撮れません。特に続けて撮る時には注意が必要です。
フィルムの巻戻し
フィルムを撮り終わるとやや低めのピッピッピッという電子音が鳴ってフィルムエンドを知らせます。
カメラ底面のフィルム巻戻しボタンを押しながらフィルム巻戻しスイッチをスライドさせるとフィルムの巻戻しがはじまります。暫くしてモーター音が変わり巻戻しが終わった事がわかります。フィルムカウンターもSの見える位置までもどりますので確認しましょう。フィルムが巻き戻されたら フィルム巻戻しスイッチ を元に戻します。勝手には止まってくれません。スイッチを戻さないと電池がなくなるまでモーターが回り続けます。たぶん・・・電池が無駄なので確認はしてませんので悪しからず。
主な仕様
型式 | 35mmレンズシャッター式オートフォーカス全自動カメラ |
レンズ | キヤノン40mm f/1.9 5群5枚 |
オートフォーカス | キヤノンS.S.T.オートフォーカスシステム |
撮影距離 | 0.9m~∞ |
露出制御範 | EV4 f/1.9 1/4秒 ~ EV17 f/18 1/400秒 ASA100 |
シャッター | プログラム式電子シャッター |
フイルム感度設定 | ASA25~400 |
フィルム装填 | オートローディング |
フィルム巻上げ | 自動 |
フィルム巻戻し | ボタン操作による内臓モーター巻上戻し |
フラッシュ | ビルトインポップアップタイプ・ガイドナンバー11 |
電源 | 1.5V単三電池2本(ニッカド電池使用不可) |
ましかく改造の頁は以下にリンクを貼ります。