CANON AUTOBOY TELE6 (キヤノン オートボーイテレ6) / 35mmフィルムカメラ
35mmとハーフサイズの画面サイズ切替式のオートフォーカスカメラということで結構気に入っていて3台ほど持っています。そのうち2台は電池室の蓋が割れているなどで只同然でリサイクルショップからの引き上げ品です。壊れていない1台を使って写真を撮り直し内容も見直してみました。
※ 20200406 更新
各部の名称
操作方法
画面サイズの選択(切替)
最初に35mmフルサイズで撮影するか、その半分のハーフサイズで撮影するかを選択します。画面サイズの切り替えレバーはフィルム室内にあります。
カメラ裏面の左下にあるスライドボタンを下に引き下げて裏蓋を開くと、ファインダーの下あたりに黄色いレバーがあります。レバーの位置が左側にあるときは35mmフォーマット、右側に倒すとハーフサイズのフォーマットになり、レバーに連動してフィルム露光面の画角が切り替わるとともにファインダー内の画角も切り替わります。
※ 構造上撮影途中の画角切替は通常出来ませんが、フイルムの途中巻上げを利用して一度フィルムを巻戻して取り出し画角を変更して再びフィルムを装填して撮影済みのフィルムを暗室などで空送りして進めるなどして切り替えることも出来なくはありません。その場合このカメラのフィルムの巻戻しは完全にパトローネの中にフィルムを巻き込みますので、再度フィルムを装填するためにフィルムピッカーなどが必要になりです。また空送りは暗箱かダークバックなどに入れて行う必要がありますが、暗いところで普通にシャッターを押すと必ず内臓ストロボが光りますのでバルブボタンを押しながらシャッターを押す必要があります。さらには 撮影OKランプ でも光カブリの可能性が高いので遮光テープなどを貼って光を防いだ方が良いと思います。ということで大変面倒な作業にはなります。
フィルムの装填
フィルムはDXコード付きのものを使用します。
DXコードのないフィルムはISO100として装填されます。
カメラ裏面の左下にあるスライドボタンを下に引き下げて裏蓋を開き、フィルム室にパトローネを入れてフィルム先端を少し引き出し反対側の白文字で書かれたFILMの位置に合わせます。その時にフィルムを引き出しすぎないように注意します。
裏蓋を閉じるとモーター音がして、自動的に1コマ目までフィルムが送られて裏蓋のフィルムカウンターの表示が1になります。もしフィルムカウンターが0のままの場合は、フイルムが正しく装填できていませんのでもう一度裏蓋を開き、引き出されているフイルムの長さを調整するなどして正しく装填しなおします。
撮影
ファインダー内にはセンターにフォーカスフレームと上部に近距離補正マークがあります。またファインダー横に撮影確認ランプがありシャッター半押しでフォーカスロックされ同時に確認ランプが点灯します。ピント合焦時は常時点灯、未合焦の場合は点滅します。個体によりランプの点灯が疑わしいものがありました。撮影結果は特に気になるものではありませんでしたがある種の故障だったのかもしれません。
ワイドとテレの選択で電源ON
カメラ裏面の右上部にあるスライドスイッチが電源スイッチ兼、ワイド、テレの切り替えスイッチで、3本の木のマークがワイド35mm、1本のマークがテレ60mmです。(いずれも35mmフルサイズの場合)
※ 実はこのカメラ上記のどちらを選んでも特に何も変化がありません。レンズカバーは閉じたままです。シャッターを半押しするとフォーカス移動音(小さな音ですが)と撮影OKランプの点灯で電源が入っている事が確認できます。
ファインダーをのぞき構図を決めてシャッターを全押しすると!! 結構大きな音を立ててレンズカバーが開きレンズが飛び出してきてシャッターが切れ、撮影完了とともに何事もなかったように元通りになります。この動作は初めて見る人は必ず驚きます。テレ側にしておくとレンズが飛び出してくるのでより効果的です。ただ時々「レンズカバーが閉まったままだよっ」て教えてくれる人もいたりするので、ウケ狙いの場合は撮影のタイミングが重要ポイントかもしれません。
バルブ撮影
カメラ上部の左側 B-4 の表示ある方の小さなボタンを押しながらシャッターボタンを押します。
シャッターボタンを押したらこの小さなボタンを押すのは止めても大丈夫です。
シャッターボタンを離すと撮影終了ですが、このカメラのバルブは最長4秒になっていて
シャッターボタンを押しつつけても4秒たつと強制終了となります。
ストロボ強制発光
カメラ上部の左側のオレンジ色のボタンを押しながらシャッターを押すと周りの状況にかかわらずストロボが必ず発光します。
ただ逆にストロボの発光をオフにすることは出来ないので撮影場面によっては不都合なこともあるかと思います。特にフラッシュ禁止の場所でこのカメラを使用するのは止めましょう。
セルフタイマー
シャッターボタン横一番手前のボタンを押します。ボタンを押すとカメラ前面にある赤いランプの点滅が始まり最初はゆっくりとそして点滅が早くなってシャッターが切れます。
ボディティルト
カメラ前面左側の下部からカメラをティルトさせるための脚が収納されています。
引き出して机の上に置いてセルフタイマーで一緒に撮りましょう・・?
フィルム巻戻し
フィルムが撮り終わると自動的にフィルムはパトローネに巻き戻されます。フィルム先端までパトローネの中に巻き取って終了します。
撮影途中でのフィルム巻戻しはシャッター横一番前のボタンを押します。この場合もフィルム先端まで巻き取って終了します。
これら以外にもインターバル撮影や成長記録、フィルム装填日確認などの機能がありますが、現在となってはまず使用されない機能だと思いますので勝手ながら割愛させていただきます。
最後にこのカメラの弱点をひとつ、電池室のフタの止め方に難があります。止める部分の強度不足なのか割れてしまう事が多いようなのでバッテリー交換時は注意が必要です。
ただフタをテープでも貼って固定すれば使えるので外観にこだわらなければ実用上の問題ではないとも言えます。
TELE6 主な仕様
型式 | 35mmレンズシャッター式カメラ |
画面サイズ | 標準 24mm×36mm、ハーフサイズ 24mm×17mm フィルム装填前切替 |
レンズ | ワイド 35mm f/3.5 3群3枚構成 ハーフサイズ時 50mm f/3.5 テレ 60mm f/5.6 6群6枚構成 ハーフサイズ時 85mm f/5.6 電源スイッチ共用スライド切替式(テレ、ワイド、電源OFF) |
オートフォーカス | SSATオートフォーカスシステム(Solid State Active Triangulation) 近赤外光投射による三角測量方式 プリフォーカス(フォーカスロック)も可能 |
ファインダー | 変倍実像式ファインダー 画面サイズ切替に連動して自動切換え、倍率0.42倍~0.63倍 視野率 約85% 視野内にオートフォーカスフレーム、近距離補正マーク、 ファインダー横に撮影OKランプ |
シャッター | 絞り兼用電磁駆動電子制御プログラム式 35mm時EV9.5(1/60秒 F3.5)~EV15.5(1/350秒 F11) 60mm時EV11(1/60秒 F5.6)~EV17(1/350秒 F19) セルフタイマー内臓、バルブボタン付き(最長4秒) |
フィルム感度 | ISO 50~ISO 3200 DXコードによる自動セット ※ DXコードの無いフィルムはISO 100に設定 |
EE機構 | 自動露出制御、(EEはElectric Eye) Cds素子使用 完全自動プログラム式EE |
測光連動範囲(ISO100) | ワイド EV9.5~EV15.5(1/60秒 f/3.5 ~ 1/350秒 f/11) テレ EV11~EV17(1/60秒 f/5.6 ~ 1/350秒 f/19) |
内臓ストロボ | ガイドナンバー10.5(ISO 100・m)、低輝度時自動発光 |
ストロボ撮影距離 | ワイド 0.63m~4.2m(ISO 100) テレ 0.63m~2.7m(ISO 100) |
フィルム装填 | フィルム位置合わせによる自動セット、オートローディング |
フィルム給送 | 内臓モーターによる自動巻上げ、巻上げ速度1コマ約0.6秒 |
フィルム巻戻し | 内臓モーターによる完全自動式(途中巻戻し可) |
フィルムカウンター | 裏蓋上面7セグメントLCD表示 裏蓋開閉連動自動復帰、順算式、巻戻し時は逆算表示 |
電源 | 6Vリチウムバッテリー 2CR5 1個 |
大きさ・重さ | 132.6×71.5×49.8、330g(電池含む) |
次の頁に撮影例を載せます。